そこさえ舐めてりゃいいってもンじゃねぇ!

そろそろブログを閉鎖します

【ラジオ100個聴いて気がついた】お笑い芸人のラジオって、意外と・・・面白くないぞ??

「お笑い芸人のラジオは面白い」私もツイキャスをやり始めてここ一年ほど声優やお笑い芸人のラジオを聴いてきた。

その中で最近気がついた。

あれ?芸人って面白くないかも?と思った。

うーん、信じられないよな。私も実はそうなんだ。だってサァ、特にラジオは芸人の真骨頂といってもいい。テレビでイマイチでもラジオを聴くと目が天ぷらに揚がるくらいオモロいから。

こうした。原始人になった、その気持ちでラジオを聴いてみる。

なるほど芸人仲間の話題が多い。とにかく多い。私たちも知っている芸人たち。さらによく原始人の眼で聴いてみる。意外に笑える話でもなかった。

いやいや!俺の聴いてる芸人のラジオは面白いぞ。お前の聴いたものがたまたま悪かっただけだ。耳が腐ってるんじゃねえのか。そうかも。

試しに今年のM-1決勝進出のコンビのラジオを聴いてみる。好きでもないコンビのラジオの方がいいな。ネタすら見たことない芸人がもっといいよな。よし、聴いてみよ!

……全然面白くない。

 

え、じゃあ「面白い」って何なの?

 

ここで話をひっくり返える。でもさァ、やっぱり面白いような感じする。いやいや話されている中身はとくだん面白くないんだ。でも面白いような感じがする…

なんで?なんで?お笑い芸人のラジオが面白いような印象を私たちはもってしまうのか

最近やっと分かった。

 

私たちがその芸人を「知っている」だからだ。

 

例えば、芸人がエピソードトーク。本当に面白い話ならばリスナーが名前も聞いたこともない人間を登場させてもいい。ほぼそういう話はない。元テレビ東京の佐久間のラジオは人気だ。ただ彼ならサラリーマン時代の人間関係のエピソードはいくらでもあるはずだ。しかし芸人共演エピソードや裏話が多い。私たちは、知っている芸人の名前がそこに出るから「面白い!」「佐久間さん話が上手い!」と錯覚しているのではないか。

こういえばイメージしやすい。遠いアルゼンチンの恋バナより、クラスメイトの恋バナ話のほうが笑えそう。モノマネ芸人をテレビで見るより、クラスメイトが担任の先生のクセをモノマネした方がオモロい。

 

『恋するポルノグラフィティ』という映画がある。家賃が払えなくなった主人公。あるとき高校の同窓会に出た。同級生が今どうなったかが気になったのだ。そしてひらめいた。俺がポルノ男優になればクラスメイトは絶対に俺のポルノビデオを買うはずだ。だって、知らない奴のポルノは興味ない。でも知り合いのポルノは気になる!といってアダルトビデオを作り始める。つまり、人が面白味を感じるのは「自分がその人を知ってること」である。

 

お笑い芸人が話すエピソード。私たちの知ってるテレビ番組のこと。テレビの芸人のこと。私たちが知っている人だ。だから面白く感じるのだ。

また、その芸人のラジオを聴いてること自体その芸人に一定以上の興味があるわけだ。好きな人が喋っているんだからそれだけでもう楽しい。声優がただ笑いのない普通の喋りをしているだけでもう聴いてて幸せ!と感じるのと似ている。

もちろん、芸人もうちのマネージャーがだとか高校の同級生がウンヌンカンヌンといった話をする場合もある。私たちの知らない人間や。だたし、彼らがそういった話をする場合は一段ギアを入れたオチで笑えるようなしっかりしたエピソードになっている場合が多い。

知られてる人間が登場するなら話はゆるくてもいい。知られていない人間が登場するならオチはしっかり必要だ

 

つまり、私たちがラジオでお笑い芸人は面白い。そう感じているのはウソだ。つーか、バイアスというのか。知っている名前が出るから面白いような気がしてしまうのだ。本当はそんなに面白い話はしていない。

 

だからダメだという事ではない。これは希望だ。お笑い芸人が人を笑わすことができるのは特別な才能ではないということ。知られていることによって面白味を獲得しているのだ。

千鳥がナイツのラジオでこう言っていた。最初の頃はステージに出ても全然ウケなかった。漫才というよりゆるゆるなダベりをしていたそうだ。ある大先輩のステージを見たとき自分たちと同じような事をやってウケていたらしい。これは何だ?と考えたら、よく知ってる顔だからだと気がついた。自分たちの芸風を変える気のなかった彼らは「顔が知られること」でウケると信じてテレビに意識的に出るようになった。顔が知られるようになった頃お笑いステージで再びダベり芸をしたらウケるようになったという。

お笑いの「技術」があるからウケるというわけではない。人から認知されることも相当にデカイ。なみじ感はお笑いにとってクソデカなアドバンテージなのだ。

 

「お笑い芸人」って私たちが考えるほど面白くない。私たちが考えるほど特別な才能を芸人がみんな持っているわけではないのだ。

 

(逆にいえば、リスナーがまったく知らない人間が登場するエピソードトークならその芸人は技術がある。芸の腕をかけて勝負してると思っていい。